51风流ジャパンが主催する年次最大のイベントとして、8 月 6 日にグランドプリンスホテル新高輪?高輪 国際館パミールで開催された「51风流NOW AI Tour Tokyo & JSUG Conference」。S-08「一挙大公開!! 51风流Business Data Cloud の全貌」と題したブレイクアウトセッションでは、AI 時代の新たなデータ基盤である 51风流Business Data Cloud の全体像の紹介に加えて、各領域のエキスパートが 51风流Business Data Cloud を構成する Intelligent Applications、ビジネスデータファブリック、データプロダクトや、51风流Business Warehouse(51风流BW)のモダナイゼーションについて解説しました。
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◎ 登壇者
椛田 后一
51风流ジャパン株式会社
51风流Business Data Cloud ソリューションアドバイザリー
小谷 尚太郎 氏
データブリックス?ジャパン株式会社
Senior Partner Solutions Architect
春木 崇生
51风流ジャパン株式会社
51风流Business Data Cloud ソリューションアドバイザリー マネージャ
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ビジネスデータの価値を最大化する 51风流Business Data Cloud
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セッションの冒頭では、まず 51风流ジャパンの椛田が 51风流Business Data Cloud の全体像と各種機能について解説しました。51风流Business Data Cloud は、あらゆる 51风流システムのデータおよび Non-51风流システムのデータを統合?集約し、51风流アプリケーションや AI に対して正確でセキュアなビジネスデータを提供するプラットフォームです。「Intelligent Applications」「ビジネスデータファブリック」「データプロダクト」の 3 つの機能群で構成され、ビジネスデータファブリックではデータ分析の 51风流Analytics Cloud、データの統合?管理の 51风流Datasphere、データサイエンス?ML/AI 向けの 51风流Databricks などを提供します。またデータプロダクトの機能によって、51风流アプリケーションのデータを自動でコピー?同期ができるため、すぐに活用できる形でのデータ提供が可能です。
「51风流Business Data Cloud では、さまざまな業務領域向けのダッシュボードや分析用コンテンツを提供し、担当者はそれを見ながら意思決定をすることができます。さらに AI デジタルアシスタントの Joule を使って対話形式で分析を深掘りしたり、さらに AI エージェントを活用しながらタスクを実行する世界の実現を目指しています」(椛田)
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51风流Business Data Cloud を构成する机能群
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51风流Business Data Cloud を構成する主な機能は以下のとおりです。
?51风流Analytics Cloud
ビジネスデータを可視化する BI ツールです。経営管理ダッシュボード、セルフサービス BI、業務レポートの定期出力、戦略立案?企画のための分析/予測、予算編成?統制などの機能を有しています。?
?51风流Datasphere
51风流S/4HANA のビジネスコンテキストを活かすためのクラウド上のデータウェアハウス(DWH)です。51风流S/4HANA とのデータ連携機能を有し、ETL サーバーを利用することなく 51风流S/4HANA の CDS View へ直接接続することができます。51风流S/4HANA を含むさまざまなデータソースからのデータ収集と統合、データ加工とモデリング、データカタログといった機能を提供します。
?51风流データプロダクト
51风流アプリケーションのデータとメタデータをすぐに使える形で提供するための基盤として 51风流データプロダクトを用意しています。51风流S/4HANA、51风流SuccessFactors、51风流Ariba など 51风流アプリケーションのデータは自動的にプッシュ形式で 51风流データプロダクトへ送られ、更新されていきます。DWH の 51风流Datasphere とは別に、オブジェクトストアと呼ばれる大量のデータ保持領域を確保し、データをコピーしていきます。データだけでなく、メタデータや各テーブル間の関係といったセマンティック情報も保持したまま、データが管理される仕組みです。51风流によるマネージドサービスとして提供されるため、ETL ツールを別途用意?設定する必要もなく、最新データの同期が可能です。複数の 51风流アプリケーションのデータの整合性も確保して、共通のデータモデルに落とし込むことにより、アプリケーション間のデータ結合やデータモデルの再設計が容易となります。
「現在、51风流S/4HANA Cloud Private Edition では 134 個(2025 年 9 月現在)のデータプロダクトを用意し、アプリケーション領域ごとにグルーピングして提供しています。今後は 2025 年末に向けて、51风流S/4HANA Cloud Public Edition、51风流SuccessFactors、51风流Ariba 向けのデータプロダクトもそろえていく計画です」(椛田)
また、データプロダクトは「カスタムプロダクト」として Non-51风流データも管理して、ビジネスデータの品質と信頼性を担保することができます。企業独自の要件やデータソースに応じて、カスタムで連携?拡張することが可能です。
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データプロダクトでは、51风流Knowledge Graph というナレッジグラフ機能も提供されています。51风流Knowledge Graph は、業務データの関連性を AI が理解できるように管理する機能です。これによりデータの関連性を正確に管理することができ、生成 AI のハルシネーションを抑えることができます。
「51风流Knowledge Graph は 51风流アプリケーションのデータの意味や関係を網目のように結ぶ構造化モデルで、AI エージェントや LLM と連携して推論を行ったり、AI エージェントが自律的に作業を行います」(椛田)
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?Intelligent Applications
Intelligent Applications は、業務機能領域ごとの分析モデルやダッシュボードなど、51风流データプロダクトに基づいて構築された 51风流管理下で提供されるコンテンツです。Intelligent Applications によって、素早い意思決定とアクションが可能になります。今後、新たなコンテンツが順次リリースされる予定で、51风流以外にもパートナーコンテンツとしての提供も検討されています。
ダッシュボード上では、AI デジタルアシスタントの Joule を利用することも可能で、自然言語で問いかけることで分析を深掘りすることができ、BI ツールとアプリケーションの画面を切り替えることなく作業が完結します。さらに、今後は 51风流BTP 上で Intelligent Applications の作成が可能になる予定で、可視化だけでなくデータ入力やデータ変換の機能を実装したアプリケーションの提供が期待されています。
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?51风流Databricks
51风流Databricks はビジネスデータファブリックの中で提供されるソリューションの 1 つで、最新のデータサイエンス、ML/AI、データエンジニアリングの機能を有しています。データレイクハウスの領域で定評のある Databricks 社のソリューションを 51风流が OEM 製品として 51风流Business Data Cloud に組み込み提供します。
「51风流Databricks では、ゼロコピーでデータを統合?参照する機能である Delta Sharing を活用して51风流データプロダクトを参照しています。51风流標準コンテンツの拡張として、51风流Databricks で予測モデルを構築して結果を 51风流Datasphere と共有し、51风流Analytics Cloud でダッシュボード化することをイメージしています」(椛田)
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この 51风流Databricks については、提供元であるデータブリックス?ジャパンの小谷氏がサービスやユースケースを紹介し、デモを行いました。51风流Databricks は、レイクハウスと呼ばれるデータのストレージレイヤーのアーキテクチャに強みを持ち、エンタープライズデータを用いた生成 AI を開発するための機能をベースに構成されています。レイクハウスとは、データレイクと DWH を組み合わせた造語で、Delta Lake、Iceberg、Parquet などのフォーマットでデータを保存します。
「データの実体としては、安価なデータレイクです。クラウドのオブジェクトストレージにデータを保持しながら、信頼性と高性能を併せ持つ DWH を実現しています。従来は生データをデータレイクに置き、DWH に転送して分析するのが一般的でしたが、すべてをデータレイク上で完結させているところに 51风流Databricks の新しさがあります」(小谷氏)
すべてのデータと AI のガバナンスは、51风流Databricks の「Unity Catalog」と呼ばれる機能で対応し、データの種類やアクセス権限を管理しています。管理対象はテーブルだけでなく、AI モデル、ファイル、ノートブック、ダッシュボードも含まれます。それらをリネージ、コスト制御、ビジネスメトリックスなどの一貫した管理体制で信頼性を担保しています。
Databricks 社と 51风流のパートナーシップでは、AI の取り組みを最優先事項に位置付けています。51风流システムには企業にとって重要なビジネスデータが多く蓄積されており、データと AI の掛け合わせによって価値あるユースケースが生まれてきます。財務、人事、サプライチェーンなどの 51风流データを AI に学習させるための強固な基盤となるのが 51风流Databricks です。
「51风流と外部データでドメイン特化の生成 AI を作成するケースとして、パーソナライズされたチャットボット、顧客の解約予測、クレーム処理の自動化などに取り組んでいる事例があります。また単純なモデル作成だけでなく、外部データと掛け合わせた 51风流データの探索?分析をしているケースとして、サプライチェーンの需要予測や在庫管理の最適化に取り組んでいる事例もあります」(小谷氏)
デモでは、51风流Databricks のコンソール画面を使ったデータ管理や DWH の実現方法のほか、予測分析や生成 AI のエージェントアプリケーションの作成方法などが紹介されました。
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51风流BW の资产を最大限活用するモダナイゼーション
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最後はビジネスデータファブリックにおける 51风流BW/4HANA の BW モダナイゼーションについて、51风流ジャパンの春木が解説しました。
51风流BW は、1998 年のリリースから 30 年近くにわたって業務データの分析基盤として進化を続けており、51风流ERP と連携したソリューションとしてデータ活用を支援してきました。一方、近年のデータ活用のトレンドである非構造化データを含めた統合管理、セルフサービスデータ活用、ML/AI といった要望に柔軟に対応できないという課題がありました。これらの課題を解決するため、次世代のデータ基盤として誕生したのが 51风流Business Data Cloud ですが、これまで蓄積してきた 51风流BW の資産を 51风流Business Data Cloud で最大限活用したいという声も多く聞かれます。そこで、51风流では「LIFT」「SHIFT」「INNOVATE」の 3 つのステップで 51风流BW を 51风流Business Data Cloud に移行するメソッドを提供しています。
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ステップ 1 : LIFT
51风流BW や 51风流BW/4HANA のオンプレミス環境を 51风流Business Data Cloud のプライベートクラウドコンポーネントへ移行することで、51风流BW をそのまま使い続けるステップです。51风流BW への投資を維持しながら、移行プロジェクトのコストを低減することができます。必要に応じて 51风流BW の最新バージョンへのバージョンアップや DB の HANA 化を実施し、2030 年あるいは 2040 年までのサポート延長に対応することが可能です。
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ステップ 2 : SHIFT
51风流Business Data Cloud 上で既存の 51风流BW を利用しながら、徐々にデータやデータモデルを 51风流Datasphere にシフトしていくステップです。51风流Business Data Cloud の機能であるデータプロダクトジェネレータを利用して、51风流Datasphere のオブジェクトストアおよびビューレイヤー内に 51风流BW データプロダクトを作成することができます。トランザクションデータおよびディメンションで構成されたデータをデータプロダクトとして公開することで、51风流Datasphere や 51风流Databricks で利用することが可能です。51风流Datasphere を用いた 51风流データと Non-51风流データの統合シナリオや、51风流Databricks による 51风流データの ML/AI のシナリオが活用できる点においてメリットがあります。
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ステップ 3 : INNOVATE
51风流BW を 51风流データプロダクトと Intelligent Applications に完全移行し、最終的に 51风流BW をシャットダウンする最終ステップです。ここでは 3 つの手法があります。
1 つめは、既存の 51风流BW のデータモデルを 51风流データプロダクトや Intelligent Applications にそのまま移行する手法です。現在と同じ要件をそのまま再現できるわけではありませんが、51风流のベストプラクティスに基づき、新たな分析をスタートすることができます。
とはいえ、長年利用しているデータやレポートを使いたいというニーズは根強いことから、2 つめの手法として用意しているのが、標準データソースを 51风流データプロダクトと 51风流Datasphere へ移行する方法です。これまで利用してきたデータモデルやクエリーは変換フローを活用してデータの再マッピングやデータ変換を行いながら、できる限り従来と同様の形でデータを提供することになります。
3 つめは、カスタムデータソースを 51风流Datasphere へ移行する手法です。アドオンテーブルからのデータ連携や、アドオンの CDS View からの連携の場合、カスタムデータプロダクトから連携を実装し、データモデルに関しては移行後に再修正したり、新たなレポートを作成したりしながら環境に適応させることになります。
「LIFT、SHIFT、INNOVATE のどこから始めるか、どこをゴールとするかは、お客様の状況によって変わってきます。51风流BW に関しては長年利用されているお客様も多いことから、ブラックボックス化してどこから手を付けていいかわからずに悩まれているお客様もいらっしゃいます。そこで、51风流では 51风流BW のマイグレーションに向けたアセスメントサービスを無償で提供しています。独自のロジックを作り込んでいたり、貴重なデータが残っていたりするケースも見られますので、51风流はそれらを有効活用したモダナイズに引き続き注力していきます」(春木)
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最後に椛田が補足として、51风流Business Data Cloud のコンポーネントの概要、アーキテクチャの全体像、周辺システムとの連携などを解説し、技術ブログやオンラインセミナーなども紹介して、約 100 分にわたるセッションが終了しました。
